よくあるご質問 | 日本小水力発電株式会社

Q 小水力発電とは?

一般的に10,000kW以下が小水力発電です。このうち、1,000kW以下の小水力発電は、新エネルギーに認定されており、建設費の補助などの優遇制度が充実しています。
また、小水力発電は、ダムや調整池などを建設しない環境調和型の発電方法で、河川などの流水をそのまま使用する流れ込み式が一般的です。

Q 水利権とは?

「水利権」という用語は、水利権について規定している法律である「河川法」の中には出てきません。水を利用する権利としてそのような呼び方をしています。
水利権とは、河川管理者以外のものが、河川の流水を継続的、排他的に利用する権利になります。小水力発電を行う場合は、まず水利権取得の要否の調査が必要です。水利権の取得が必要な場合は、最大使用水量などについて、河川管理者の許可を得る必要があります。最寄りの河川事務所にご相談下さい。

詳細は、国土交通省のホームページ、または『小水力発電を行うための水利使用の許可申請ガイドブック』(国土交通省ホームページからダウンロードができます)をご参照下さい。

>>国土交通省「水管理・国土保全局-小水力発電と水利使用許可-」(リンクします)

Q 総落差について教えてください。

総落差とは、取水位(取水地点の水面標高)と放水位(発電所から放水される水面標高)の標高差(高低差)です。

Q 有効落差について教えてください。

導水路の勾配や水圧管の摩擦などによる損失(ロス)等を損失落差といいますが、有効落差とは、この損失落差を差し引いたものです。発電出力を求める場合は、この有効落差を使用します。

Q 最大使用水量について教えてください。

発電所で使用(水車を通過)する水量を使用水量といいますが、使用できる最大水量を最大使用水量といいます。なお、水車の規格では、この最大使用水量を「流量」と定めています。

Q 発電出力について教えてください。

発電所の電気発生能力をキロワット(kW)で表したものを発電出力といい、その発電所で発生できる最大の出力を最大発電出力といいます。 発電出力は次式で求めることができます。

発電出力(kW)=9.8 x 流量(m3⁄s) x 有効落差(m) x 効率

Q キロワットアワー(kWh)とは?

キロワットアワー(kWh)とは、電力量のことを表すことばで、電力を使って行った仕事の量を示します。ちなみに、電力P(W)を使って1時間に使用する電力量は、P(kWh)となります。

Q 効率について教えてください。

水車、増(減)速機、発電機の効率を掛け合わせた合成効率で、総合効率ともいいます。増(減)速機とは、ギア、ベルトなどで速度を変換する装置です。
効率は、水車の種類や発電出力によって異なりますが、通常出力が大きくなるほど良くなります。

Q 水車の選定方法を教えてください。

水車の種類は、有効落差と流量を基に、「水車選定表」から選定します。同じ有効落差、流量で複数の水車が選定可能な場合は、経済性、設置条件、流況などを考慮し絞り込みます。また、水車選定図にない場合でも、対応可能な場合がありますので、弊社までお問合わせください。

Q 水車の耐用年数を教えてください。

水車などの機械装置の法定耐用年数は22年で、発電所全体では57年とされています。実用上の耐用年数(寿命)は、運転条件(土砂摩耗等)によりますが、摩耗や劣化の補修、部品の交換など適切な保守管理を行えば60年以上の運転も可能です。

Q 水車発電機はヨーロッパ製ですが、制御装置なども海外製ですか?

配開装置や制御装置は、規格や基準などの違いなどから国内で設計、製造しています。

Q 水車発電機はヨーロッパ製ですが、特徴は何ですか?

ヨーロッパの小水力は、高い国際競争力を持つ成熟産業ですが、特徴としては、その性能、完成度、信頼性、経済性、多様性、実績などが、他国を一歩も、二歩もリードしていることです。

Q 入口弁や水車のガイドベーンは、油圧制御を採用していますが、何故ですか? また、油漏れの心配はないですか?

油圧制御は、最新の航空機の方向舵や昇降舵などにも適用されているように安全性、信頼性が最も高いのが特徴です。水力発電設備においても、水車が停止できずに大事故を招くなどの不測の事態を避けなければならないため、より安全性、信頼性の高い油圧制御を採用しています。なお国内外を問わず、揚水発電所をはじめ、大型の水力発電所のほとんどは、油圧制御を採用しています。
また、近年、油圧機器・部品の信頼性が著しく向上しているため、油漏れは、ほとんど皆無と言われています。河川環境に特に厳しいヨーロッパにおいても、問題視されることはありません。

なお、クロスフロー水車については、ご希望により、電動制御を選択することも可能です。

Q サイフォン式水車が単独運転(自立運転)できないのは何故ですか?

サイフォン式水車は、始動時に管路を充水してサイフォン効果を得なければなりませんが、このサイフォン効果を得るために、発電機をモータとして始動し、水車をポンプとして動作させ、サイフォン管路を充水します。このため、系統から電力の供給を受ける必要があります。逆の言い方をすれば、サイフォン式水車は、系統連系を前提にして設計された水車と言うことです。
利点としては、管路充水用の真空ポンプなどの設備が省略でき、経済性が優れています。

Q 小水力で発電した電気の売電価格はいくらですか?

2012年7月1日に「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(通称:再生可能エネルギー特別措置法)」が施行されました。この法律により、再生可能エネルギー源(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)でつくった電気の全量を一定の期間・価格で電気事業者が買い取ることを義務づける「固定買取価格制度(FIT)」が実施されています。
中・小水力発電に関する調達価格や調達期間については、資源エネルギー庁のホームページをご確認下さい。

参考:資源エネルギー庁ホームページ >>「なっとく!再生可能エネルギー」(リンクします)

Q 水車と発電機の価格はいくらですか?

水車と発電機の標準価格については、お答えしておりません。
お問い合わせフォームより、お問い合わせ下さい。

Q 日常点検には、どのようなことが必要ですか?

設備の維持管理には、日常点検、月次点検、年次点検、5年次点検等があります。
日常点検には、水車にゴミが入らないように工夫した除塵設備の整備あるいは水路の環境整備などを行います。作業は季節や場所によってやり方を工夫する必要がありますが、専門技術は必要ありません。 月次点検は、月に一度、発電機を止めて状態を細かく確認する作業になります。年次点検は、年に一度、発電機を止めて部品などを分解し、状態を更に細かく確認する作業になります。5年次点検は、部品の交換等を行います。

Q 太陽光や風力など他の再生可能エネルギーと比較して、どのような特徴があるかを教えてください。

特長は、太陽光発電や風力発電と比較して、設備利用率(エネルギーを電力に変える割合)が高いことが明らかです。環境省ホームページ「小水力発電情報サイト」(リンクします) では、太陽光発電が12%、風力発電が20%、水力発電が70%とされています。さらに、水力発電は、昼夜を問わず年間を通じた発電が可能なため、安定した発電量があります。

対して、 地点毎に経済性も大きく異なり、落差と流量がある場所に限定されるため、設置地点は限られています。また、水は公共の資源ですので、原則として、水利権の手続きが必要になります。設置に当たっては、関係者と協力体制をつくることが挙げられます。

Q 発電所の見学はできますか?

発電所の見学については、それぞれの事業者に直接お申込み下さい。

<主な視察受け入れ先>(リンクします)

Q 参考になる書籍、資料、ホームページ等があれば教えてください。

全国小水力利用推進協議会が運営するホームページには、「小水力発電ニュース」、「小水力発電データベース」、「小水力利用の基礎知識」など、小水力利用に携わる方が参考となる情報が蓄積されていますので、こちらのページをお薦めします。
>>全国小水力利用推進協議会(リンクします)  

また、小水力発電全般についてのご相談は、窓口としてこちらの団体をご紹介いたします。
>>JASHA小水力開発支援協会(リンクします)  

また、書籍は『小水力エネルギー読本』、『小水力発電がわかる本-しくみから導入まで-』をお薦めします。
>>オーム社販売サイト(リンクします)